ニュース原文:CSS2026 公式プログラム

コンピュータセキュリティシンポジウム2026(CSS2026)のプログラムにVerifiable Credential(VC)を扱うセッションが掲載されています。VCを別の保有者へ移す仕組みや、条件に応じた情報開示など、証明書の使い方に関わる研究が発表される予定です。

CSS2026は、2026年10月19日から23日まで、アクトシティ浜松とオンラインで開催されます。情報処理学会のコンピュータセキュリティ研究会が主催し、セキュリティ心理学とトラスト研究会が共催するシンポジウムです。開催案内では、基礎理論から応用、運用、社会科学的な考察まで、幅広い領域を対象としています。

VC関連の発表は10月20日午前に予定

全5件のうち、VCを直接のテーマとする発表は3件です。NTT社会情報研究所の研究者らによる、保有者間の移転と保有者への結び付け、違反時に限定した属性開示、発行者が検証者を指定するプロトコルが取り上げられます。後者2件には東京大学の研究者も参加しています。

「誰が使い、誰に見せるか」を考える研究テーマ

VCは、資格などの情報を暗号技術を使って改ざんの有無を検証できる形で扱う仕組みです。W3Cのデータモデルでは、証明を作る発行者、証明を保持して提示する保有者、提示された証明を確認する検証者という役割が整理されています。

発表題目から読み取れる論点は以下のようになっています。

  • 保有者間の移転:VCと保有者の結び付けを、譲渡を想定してどう設計するか。
  • 条件付きの属性開示:譲渡できるVCで、違反が起きた場合に限って属性を明らかにする仕組み。
  • 検証者の指定:発行者側が検証者を指定することで、VCの利用をどう制御するか。

具体的な手法や安全性の評価、どのような利用場面を想定しているか。当日の発表で確認したい点です。

技術と運用ルールをつなぐ視点

TWSはデジタル社会におけるトラストを情報セキュリティ技術と制度設計・社会受容性の両面から考えるワークショップです。TWS2026の開催趣旨でも、技術と人文・社会科学の連携が掲げられています。

VCをサービスに組み込む際には、証明を受け取った後の扱いも設計する必要があります。

例えば、他者への譲渡を認めるのか、どの情報をどの相手に示すのか、といった判断です。これらは、サービスの利用規約やプライバシーの設計にも関わります。

編集部としては、今回の発表を通じて、こうした運用上の条件を技術でどこまで表現できるのかに注目しています。発表を聞く際も、提案手法の仕組みとともに、誰を信頼する前提なのか、利用者にどのような操作が必要なのかを確認すると、実装を考える手掛かりになりそうです。

参加方法と最新情報の確認

TWS2026の参加登録はCSS2026と共通です。TWSの参加案内によると、登録によりCSS2026と併催ワークショップの各セッションに参加できます。

VCの利用条件やプライバシーを研究・実装の観点から考えたい方にとって、関連する議論に触れられる機会です。プログラムには発表順が変更される場合があるとの案内もあるため、参加前に公式サイトで最新情報をご確認ください。

※開催情報は2026年9月15日時点の公式案内に基づきます。